前だけを… ショートショート

 

さきとこいぬ 〜日常編〜


 

>サキ

 朝。

 おにいちゃんとワン吉君と一緒に起きる。

 おにいちゃんが朝ご飯を作っている間にいつも通りボクはお寝坊さん達を起こしに行く。

 まず簡単な方から―――ミユは蹴り起こす。

 そして、難しい方―――マナに最近ボクは勝てる(起こせる)ようになった。

 ぽいんとはワン吉君だ。

 ボクが部屋に突っ込んで出来るだけ罠を蹴散らしたその隙に、ワン吉君がマナの顔にぼでぃあたっく。

 マナが『きょわぁ!?』って変な悲鳴上げてた。

 とても面白かった。

 

 

 

 昼。

 学校にはワン吉君を連れてこれないのでちょっと寂しい。

 ―――と思ったら、ワン吉君が昼休みにボク達の教室まで遊びに来た。

 せんせーに見つかるとダメらしいので、屋上に連れて行く。

 そして、屋上でみんなとお昼ご飯。

 あーちゃんとレイがワン吉君にお弁当を分けてくれた。

 あーちゃんって、見た目と違って動物には優しいんだよね〜。

 と、口に出したら怒られた。む〜。

 ワン吉君がご飯を貰ったお礼にあーちゃんとレイのほっぺたを舐めたら、メガネの人(ケンスケ)が『売れるぞーっ!』って叫んで一杯写真を撮った。

 ………いっぱい撮ったあと、『どこに売るつもりよっ!』ってあーちゃんにカメラ壊されて泣いてたけど。

 

 

 

 夕方。

 おにいちゃんと一緒にお買い物に行きたかったけど、ワン吉君がいるのでお店には入れないらしい。残念。

 しょうがないので、今日はマナと一緒に帰った。

 帰り道の公園でパンパン大きな音がする花火(爆竹)を使って遊んでいる大人の人(あとでマナに聞いたら『こーこーせい』で『ふりょー』というらしい)がいた。

 ワン吉君が大きな音に怖がっているからちゅーいすると、その人達はボクの事を物凄く怖い目で睨んできた。

 『関係ねえだろ!!』と言って、男の人が拳を振り上げる。

 と、パンと軽い音がしたと思うと、泡を吹きながら男の人が倒れていた。

 マナがもでるがんで股を撃ったみたい。(弾が当たったのが見えた)

 そのあと、泣いて逃げ回る男の人たちをマナが『不良狩りよー♪』と楽しそうに追いまわしていた。

 ちょっぴり、マナがかっこよく見えた。ワン吉君もそう思うよね?

 

 

 

 夜。

 みんなでテレビゲームをした。

 『桃太郎電鉄2015』をやった。サイコロを振って進むのは『すごろく』というらしい。

 いつも通り、あーちゃんがビリでおにいちゃんがトップだった。

 おにいちゃん、普段ゲーム全然してないのに強いのはどうしてだろう?

 ワン吉君はボク達が何をしているか判らなかった様で、ゲームをしてる間ボクの膝の上で、不思議そうな顔でテレビをじーっと見ていた。

 ちなみにペンペンはゲームに参加していた。しかも2位。凄い。

 でも他の皆は、なぜか頬が引き攣っていた。

 

 

 

 夜中。

 今、ベットの上でこの日記を書いてる。

 今日も一日楽しかったです。

 後は寝るだけ、ちょっと寝るのがもったいない。

 でも………おにいちゃんと一緒に寝るのは好きだから、別にいーや♪

「ワンッ」

 あ、ごめん、もちろんワン吉君と一緒に寝るのも好きだよっ♪

「サキ〜、もう寝るからね〜」

 おにいちゃんだ♪

「は〜いっ♪」

 

 

 

 今日の日記はこれでおしまい。

 明日も楽しい一日になりますように。

 それじゃ、おやすみなさい〜♪

 

 

サキ「続くよっ♪」



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