前だけを… ショートショート

 

ある晴れた日の昼休み


 

>第壱中学・屋上

「なあ、シンジ……………」

「何、ケンスケ?」

 シンジは自分の作った弁当を食べながら、眼鏡を掛けた友人の問いに答えた。

「お前だけが何故もてるんだ?」

「も、もてるって……そんな事全然ないよ」

「嘘つけっ! だったら、今までどんくらいラブレター貰ってんだ? 言ってみろよ。」

「ラ、ラブレター!? そんなの一枚も貰った事ないよ!」

「嘘つけっ!!」

「本当だよっ!」

 その二人の会話を聞いていたミユウは、そっと校舎裏にある焼却炉を見下ろした。

(今日の分の手紙。もう燃えてるよね)

 なんて思いながら………。

 

 今日も空は青く晴れていた。

 

ミユウ「目次に戻るよ」



アクセス解析 SEO/SEO対策